することを決めない休日

ここ1か月ほどしばらく休日がつらかった。何かしなければという焦りはあるのに、なにをするのも面倒くさくて動けなくて、結局ベッドの上でダラダラスマホを見てしまって、夕方になると目はかすむし胃もムカムカする。キッチンに立つのもお風呂に入るのもつらくて結局深夜まで無駄に起きてしまって翌日は仕事…みたいなことが続いていた。

だから、今日は予定を決めずに過ごそう!と思っていた。でも、身体が太陽の日差しと散歩を求めているってことは感覚的にわかっていたので、外に出るってことだけ決めた。

前に読んでなるほどなって思ったphaさんの「自由に精神を遊ばせる」っていう過ごし方を実践することにする。

何もしないからこそ得られる満足感! 元プロニート直伝・ダラダラ休日の極意 | Lidea(リディア) by LION

 

お昼過ぎに行ったことない図書館にいってみよう!と思って、電車に乗って降りたことのない駅に降りて、名古屋市内にある小さな図書館へ行く。降りたことのない駅前のスーパーとか見たことない制服を着た高校生を見るとちょっとわくわくする。

ぽかぽかした日差しの中を少し歩くと図書館があった。ぶらぶら気になる本の見出しを流し読みしたりする。いつもなんとなくだるい私は「健康」のコーナーに吸い寄せられる。

とにかく「スマホ・座りっぱなし・猫背」は最悪で、健康のためにはスマホを置いて自然に触れ、動いて血流をよくするべきだということがわかった。

太陽が出ていてあったかいので歩きたいなーと思って、図書館から名古屋駅まで歩くことにする。

5キロ以上あったけど、日差しの中をあるくのは気持ちいい。知らない町の、お店や会社を横目で見ながら歩く。

平日だからみんな働いている。道路を工事している人がいる。

しばらく歩いていたら公園を発見したので入ってみる。

テニスをやっている女性と子供連れのお母さん、ベンチでうつらうつらしている年配の男性などがいる。

公園の中に梅があった。今年初めて梅を見た。うれしい気持ちになって写真を撮った。日差しがあったかくて、木の葉がゆれるサラサラって音がして、あーわたしはこういうことがしたかったんだな、と思った。

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名古屋駅まで歩くとさすがに汗ばんできて足も痛くなってきたので、大好きなドトールに入ってアイスココアを飲む。チェーン店の中でドトールが一番好き。

ぼーっとしていたら3月で退職する職場の人と、もうすぐ子どもがうまれる小学校からの友人に絵本をあげたいな、と思いついて、電車に乗って行ってみたかった絵本屋さんに行くことにする。

たくさん歩いたから電車の中で爆睡してしまった。駅についてお店に行ってみたけれど、今日は早めにお店を閉めたようでやっていなかった。残念だったけど、素敵なお店だったからまたもう一度訪れようって思った。

家に帰ってきたら、部屋が春の夕暮れ独特の匂いにつつまれていて、この感じ久しぶりだな、なつかしいなあって思った。一日中歩いていたから自分の髪の毛とか、コートもおんなじ春の匂いがした。

今日は自分のやりたいように時を過ごせたからか、なんかさみしいような不思議な感情が浮かんできた。この感情もすごく久しぶりだ。

学生時代、親友と東京タワーにのぼったとき、タワーからだんだん日が暮れていく街の様子をずっと長いこと眺めていたときを思い出した。

その時は、ただ、ゆっくり過ぎていく時間を愛おしいなって感じていた気がする。「もうしばらくこうしていたい」っていう感じ。この感覚も久しぶりだった。

仕事も休みの日も、未来に目標やタスクを設定して、それを滞りなくこなすことが癖になっていたと思う。「やることリスト」を線で消していくことだけを目標にすると、刻刻と過ぎていく「今」がいつの間にかどこかに消えてしまう。岡本太郎の「瞬間瞬間に生きる」って言葉が好きだけど、意識的に思い出さないと、本当にすぐ忘れてしまう。私はずいぶんいろんな感情を凍結してしまった気がする。歩いたり、太陽を浴びたり、音を聞いたりして、少しずつ解凍したい。

 

家主(バンド)のライブを観た

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3月6日(日)「家主」というふしぎな名前のバンドのライブをに行った。名古屋の今池にあるTOKUZOというライブハウスで。

 

家主は、私が通っていた大学の、音楽サークルのメンバーによるバンドだということで知った。直接面識はないけれど、その音楽サークルは大学内でもディープな音楽好きが集っているというイメージで、毎年、学祭の時に配られる機関紙と自主制作アルバムを楽しみにしていた。そこに田中ヤコブさんの曲もあって、いい曲だな~って思っていたから、田中ヤコブさんや家主の今の活躍はすごい!と思うし、音源やライブをこうして地方でも聴けてうれしい。

今池に到着し、時間調整のために近くのコンビニに入って、なぜか目についた「ヌテラ・アンド・ゴー」を買う。ひとりで開場中の待ち時間を過ごすのがつらいので、ぐるぐる街を歩いたりしていたら開演間際になったのでライブハウスへ。会場内には椅子がたくさん置いてあった。スタンディングだと密になってしまうため、座る形式のライブのようだ。ドリンクチケットで引き換えたジントニックをちびちちび飲みながら待っていると家主が登場した。田中ヤコブさんは人間椅子の和嶋慎治さんに似てきているような気がする。

どの曲も、音源で聞いてるのとは違ってこれでもか!っていうくらいロックンロール!ヤコブさんは超絶ギター。彼らはそれぞれが作曲した曲を自分が歌うビートルズスタイルなのだけど、それぞれの持ち味が違って、どれもよい。OTOTOYのインタビューで「バンドは草野球」ってお話されてたけど、ほんとうにそんな感じだなって思った。「こういう系の音楽にしよう」って作ってる感じじゃなくて、それぞれ違う趣味を持つ4人が全力で草野球してるって感じがする。楽しそうに演奏している音楽を聴いていたら楽しい気分になった。お客さんはみんなそうだったんじゃないかな。マイペースだけど斜に構えてなくて、熱い、で、優しい。ふしぎだけど素敵なバンドだ。

個人的に「生活の礎」って曲が好きだったので聞けてうれしかった。

大人だって草野球したらいいんだ!って気持ちになれたし、私も草野球っぽいなにかをはじめたいなと思いました。